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レコード再生における基本とは何でしょうか。
個人的にはレコード盤と針先のクリーニングだと思っています。
ミクロン単位の細い針先でレコードの音溝をトレースすることにより音を出すという仕組み上、盤と針先の汚れは音質を悪化させる大きな原因になります。
今回は針先のクリーニングに不可欠なスタイラスクリーナーの中から少し変わっている商品2点をご紹介します。

DS AUDIO ST-50 販売価格:8,640円(税込)

光カートリッジを製造しているDS AUDIOさんより今年1月より発売となった新製品です。
産業用クリーンルームなどでホコリ取りに使用されている特殊ウレタンゲルを用いたクリーナーです。
ゲルの上に針を2,3回下ろすだけで針先の微細なホコリ・ゴミを残らず吸着します。

この手の製品は使ってみないと効果が分かりませんので、試してみました。
買取で入ってきた(ほぼ手入れをしていないと思われる)レコード1枚を聴いて、カートリッジの針先を撮ったのが下の画像です。

かなりの量のゴミやホコリが針先に付着しています。

それではST-50を使ってみましょう。
ターンテーブルの上にST-50を置き、蓋を開けて、針を下ろせば、クリーニング完了です。
(取扱説明書では2,3回下ろすようになっています)


針を上げるときにやや抵抗感があり、ゲルの粘性を感じます。

今回は1回下ろした状態で写真を撮ってみます。

1回下ろしただけでゴミがほぼ除去されています。
これは効果ありですね。

ゴミが溜まった場合はウレタンゲルの水洗いが可能です。
ゲルを水洗いし、乾燥させれば自己粘着性が回復する特徴を持っています。
30分ほど乾燥されせば、新品同様の粘着性が復活します。
そのため何度でも繰り返し使用できます。

もうひとつは電動のスタイラスクリーナーです。
FLUX-HIFI SONIC 販売価格:21,600円(税込)

ドイツのFLUX-HIFI社が販売しているクリーナーです。
電動スタイラスクリーナーは1970年代のアナログレコードがメイン音源だった時代には、いくつかのメーカーが製造していましたが、80年代のCDの登場により姿を消しました。
SONICは久しぶりに登場した製品になります。

このスタイラスクリーナーは超音波洗浄と同様の技術を採用し、ブラシパッドが針先に縦、横、斜めの3次元の振動を与えることで確実に汚れを除去します。
専用のクリーニング液「FLUX FLUID」は針先を保護しつつ、振動を効果的に伝えます。

先ほど実験に使ったSHURE M97xEをクリーニングしてみましょう。
こちらも使い方は簡単です。
クリーニング液をブラシパッドに一滴垂らし、SONICの電源を入れた後に、針を下ろします。
約15秒ほどでクリーニングが完了します。
(クリーニング中はカートリッジが動かないようにご注意ください)

SHURE M97xEクリーニング前の針先

クリーニング後の針先が下のようになっています。


針先がかなり綺麗になっています。
くすんでいたダイヤモンド針が一皮むけているように見えます。
これはなかなかの洗浄効果ですね。

SONICの高速振動は新品カートリッジのエージングにも効果があるということですので、古いカートリッジのダンパーなどの振動系の活性化にも使えるのではないかと思います。

担当S

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