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YAMAHA NS-1000Mのウーハー固着予防修理のご依頼をお受けしましたので、今回はそのお話をいたしましょう。

YAMAHA NS-1000Mは1974年から97年に渡って販売されたロングセラーモデルです。
30cmウーハーとベリリウム振動板を用いたスコーカーとツィーターで構成される密閉型3ウェイスピーカーで、そのクリアで鮮明な音は現代においても魅力的といえるでしょう。

そんなNS-1000Mも古いモデルであれば40年、新しい最終モデルでも20年以上経過しており、経年による故障が増えてきています。
よくある故障がウーハーが固着して動かなくなるというものです。
使っているといつの間にか低域が弱くなり、最後にはウーハーが動かなくなり、低域が全く出なくなります。
なぜウーハーが動かなくなるのかといいますと、磁気回路にサビが出て接着剤で止めてある部分が浮き、その浮いた部分がボイスコイル部に接触してしまい動かなくなります。
構造上、NS-1000Mは密閉型のため内部の湿気が抜けにくく、サビが出やすいようです。

お預かりしたNS-1000Mはシリアルナンバーが31万台とかなり後期のモデルで、現在のところウーハーが動かないような状態ではありません。
お預かり時に動作チェックをさせていただき、現時点では問題ない旨をお伝えさせていただきましたが、これからも長く使いたいとのことで予防修理をされることになりました。

ウーハーの固着修理は磁気回路を分解して、サビを除去しクリーニングします。
その後に強力なサビ止め塗料を塗り、再度組み立てます。
再組立て時にはボイスコイルの隙間の調整など、非常に細かな作業を行う必要がありますので、当方では行えません。
そのためスピーカーの修理を専門でやられている業者さんにお願いしています。
費用はおおよそ左右2本で4万円ほどになります。
1本からでも修理自体は可能ですが、固着している1本だけを修理しても、近いうちにもう1本にも症状が出ますので左右同時に修理をお勧めいたします。

YAMAHA NS-1000Mをお持ちでウーハーが動かず低域が出ない状態の方、長く使いたいからメンテナンスをしたいとお考えの方はぜひご相談ください。

担当S

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