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1年ぶりの試聴室を作ろうシリーズ、第4回目になります。
今回は天井にスピーカーを埋め込むというお話です。

サラウンド再生のための5.1chや7.1chのマルチチャンネル構成だと、多数のスピーカーを置く必要があります。
正面側のフロントスピーカーとセンタースピーカーはテレビやスクリーンに平行になるように設置しますので、邪魔になることは少ないと思います。
しかし、サラウンドスピーカー(リアスピーカー)は部屋の隅に置いたとしても邪魔になりがちです。

そこでホームシアターを検討されている方へお勧めさせていただくのが、サラウンドスピーカーを天井に埋め込むという方法です。
また近年においてはドルビーアトモスやDTS:Xなどのサウンドフォーマットが天井設置のトップスピーカーを要求してきますので、トップスピーカーの設置も合わせてお話させていただく場合が多くなっています。

お客様には天井埋め込み設置をお勧めするのに試聴環境が無いのはどうだろうかと思いましたので、当方の6畳シアターにもサラウンドスピーカーとトップスピーカーを埋め込むことにいたしました。

埋め込み設置の最大の利点は床にスピーカーを置く必要がなく、配線も天井裏や壁面裏に隠せますのでスッキリとした室内環境が実現できることです。

逆に難点はと言いますと、新築時やリフォームの時など天井や壁を付ける前だったらやり易いのですが、後からやるのは難しいところでしょうか。
また厳密に言うと音の方で少しネガティブな面があります。
サラウンドスピーカーの設置位置については耳と同じ高さか、少し高いくらいにセットするのが基本ですが、天井に埋め込むと明らかに高さが違ってきます。
音が上の方から聞こえている感覚が強くなりますので、後ろから出る音の再現性は悪くなる可能性があります。

しかし今回の自前システムといくつかのお客様宅での施工経験から考えると、床にスピーカーを置かなくていい利便性の方が勝るという結論です。
最近のAVアンプの補正機能が進化している点もあると思いますが、音に違和感はほぼ感じません。
もちろん床設置でも問題ない場合はそちらの方がベストとなります。

天井にスピーカーを埋め込み設置をする場合、新築時やリフォーム中で天井が付いていなけば、スピーカーの設置場所付近までCD管を配置してケーブルを通しておいて、天井を付けた後で穴あけをして、スピーカーを取り付けるという手順となります。
しかし、既存の天井に工事を行う場合は難易度が高いですね。
特にケーブルを開口部まで通すのが難しい。
この6畳シアターの工事でも半日近く必要になりました。

今回サラウンドとトップスピーカーに使用するのはDALIの埋め込みスピーカー PHANTOM E50です。

DALIの通常モデルと同じようにワイド・ディスパージョン再生設計となっており、音の広がりに優れています。
そのため、多人数での試聴においても高音質で楽しめます。
ユニットに角度が付けてありますので、リスニングポイントの方へ向けて設置することで鮮明な再生が可能です。

スピーカー設置用の穴あけは天井の野縁を切断しないように注意して行う必要がありますが、これも天井が張られる前に場所を検討しておけばスムーズに行えます。


穴を開けたのでケーブルを通します。
(1文で書きましたが開口・通線4カ所で2時間近く掛かりました)


スピーカーケーブルはFURUTECH FS-303(1m500円)を使いました。
サラウンド・トップスピーカーの4点の設置で25mほど必要でした。

ケーブルが通れば後はそれほど難しくはありません。
スピーカーにスピーカーケーブルを接続し、天井に固定します。

マグネット式のグリルが付いてきますので最後に取付ければ完成です。

当店では今回使用したDALIやB&Wの埋め込みスピーカー、様々なグレードやタイプをラインナップしているMONITOR AUDIO CUSTOM INSTALLの取り扱いが可能です。

ホームシアターで埋め込みスピーカーを検討されている場合は、前もっての準備が大切です。
ぜひ当店にご相談ください。

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