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買取でYAMAHAのスピーカー NS-1000M(1974年発売)とONKYOのプリメインアンプ A-805(1978年発売)が入荷しましたので、動作チェックを兼ねて鳴らしています。
このNS-1000Mはアッテネーターに接触不良がありますが、音としては問題なく鳴ります。
立体的な空間表現力は現代のスピーカーに劣りますが、クリアな音色は十分に通用します。


問題はONKYOのアンプ A-805の方です。
音は出ましたが、へっぽこな音です。
ボーカルがセンターに定位せず、左右のスピーカーにまとわりついています。
1時間くらい鳴らしたら改善するかもと思い、しばらく聴いていましたが、相変わらずボーカルが左右から聴こえる始末。

約40年前のアンプというのは、メンテナンスをしないと使い物になりません。
しかし、製造後40年も経過しているとリレー交換や接点部の洗浄などの基本的なメンテナンスだけでは済まず、ちゃんと使える状態にするには全ての電解コンデンサの交換、基板のハンダ修正、おそらくトランジスタの不良品も出てきますので交換する必要があるでしょう。
ここまでやると修理代として最低でも5万円は必要になります。
しかし5万円かけて直したとしても、そこまでの市場価値はありませんので、採算が合いません。
40年以上前の古いトランジスタアンプで、それなりの価値を保っている製品はほとんどありませんので、修理して商品化するのは難しくなってきました。

ですが考えようによっては当たり前とも言えます。
製造後40年経っている家電製品で、修理してこれからも使おうと思うものがあるでしょうか。
また40年も経過していて価値を保っているものもないでしょう。
故障すれば新しい物に買い換えるのが普通です。
アンプにおいても、よほどの高級機か、愛着のある製品でなければ、わざわざ修理する必要はないでしょう。

新品コーナーまでNS-1000Mを引っ張ってきていたので、中古側へ戻す前に現在のAVアンプ MARANTZ NR1609でも鳴らしてみました。

鳴らしにくいと言われるNS-1000Mが相手でも不足なく鳴らせます。
今のAVアンプの実力は侮れませんね。

「わざわざ昔のアンプを直さなくても、この便利なアンプで十分だな」とNS-1000Mで音楽を聴きながら、そんなことを考えた夜でした。

担当S

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