下取りでJBLの4312が入ってきましたが、片側の音がまったく出ないという状態です。
スコーカーやツィーターが故障しており一部の音が出ないということはたまにありますが、全部のユニットが鳴らないというのは珍しいですね。
なぜ鳴らないのかを探りますが、スピーカーユニット自体には問題なく、ネットワークも単体で動かすと正常です。
スピーカーターミナルからネットワークへ繋がっているケーブルが断線しているのかと思いましたが、調べたところ問題ありません。
後はスピーカーターミナルが破損しているくらいしかなさそうです。
端子の金属部に錆が出ていますが、物理的には繋がっています。
そこでスピーカーターミナルにテスターを当てて直流抵抗を測ると、何と抵抗値が32オームもあります。
正常な状態だと抵抗値は0.1~0.5オームほどのはずですので、32オームというのは異常ですね。
つまり、この片側のスピーカーからまったく音が出ない原因は経年でスピーカーターミナルに錆や酸化皮膜が発生し、接触不良を起こしていたということです。
錆と酸化皮膜の抵抗力恐るべしといったところでしょうか。
JBL 4312は82年の発売で、古い個体だと製造後38年ほど経過しているわけですので、こんなことが起きてもおかしくはないですね。
音が出ない原因が分かりましたので、スピーカーターミナル部の洗浄を行います。
綿棒に金属磨き粉をつけて磨き、その後に接点洗浄剤で汚れを落としました。
(左側:洗浄前 右側:洗浄後)
ネットワークから各ユニットへの接続端子もかなり黒ずんでいたので磨いて洗浄を行います。
更にスピーカーユニットの端子も洗浄しておきます。
音は出ていたもう一方のスピーカーも故障予防のためにスピーカーターミナルとユニットの端子、各ユニットへの接続端子の磨き・洗浄を行っておきます。
端子のクリーニングが出来上がりアンプに繋いでテストしたところ、左右2本ともに正常に鳴りましたので、これで完成ですね。