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クラシックのレコードを購入されたお客様から数時間後に「ある所で音飛びして先に進まないから交換して」というお叱りをいただきました。
当方のレコードで商品化しているものにつきましては、盤を洗浄した後にジャケットや盤の状態を値札に記載しています。
「値札だとそこまでひどい状態じゃなかったはずなんだけどな」と思っていたら、ご購入いただいたレコードはチャイコフスキー「大序曲1812」TELARC輸入盤なんですね。
このTELARCの「大序曲1812」はかなり無茶をしているレコードとして有名だということを後で知りました。

お客さまに持ってきていただきまして、盤面のチェックをしますがパッと見では大きな傷はありません。
詳細に見ていくとA面後半の音溝が見るからにヤバイ形をしています。
(なんでこのレコードこんなに音溝がでかいんだ?)
(音溝同士が接触寸前やん)

「この辺り(A面後半)で進まなくなるんですかね?」
「そう、そのあたり」
とりあえず掛けてみることにしまして、PRO-JECTのレコードプレーヤー Classic(カートリッジはGoldring E3)で再生テストを行ったところ、進まなくなることはなく最後まで再生できました。
「最後まで行けたから盤は問題なしかな」
「どうやら大砲の鳴る場面の再生がかなり厳しいみたいですね」
(再生時にカートリッジとアームが震えるのは初めて見たな。スピーカーはボコォ言うし)
お客さまとは別のレコードと交換するということでご納得いただきました。

ここでレコード制作時の理屈を考えてみます。
レコード盤はカッティング時に低域を抑え、高域は上げて作成されます。
低音は高音よりも振幅が大きく、そのまま記録すると音溝が大きくなりすぎて隣の音溝に干渉してしまうため、制限して記録しています。
そのため通常は盤を見ても音溝の大きさが気になることはなく、まして音溝同士が接触する寸前のものなどありません。

このTELARC「大序曲1812」のように目視で音溝の振幅の大きさがハッキリと分かるということはカッティングの時にギリギリを攻めたヤバいレコードということです。
なお、ほかのメーカーが出している「大序曲1812」はこんなことにはなっていません。
例としてグラモフォンの国内盤を持ってきましたが、この盤の音溝はごく普通です。

TELARC国内盤も有ったので持ってきましたが、その解説には19世紀の大砲を使用しており、6Hzもの超低音で大地を揺るがしたと書かれています。
また、正常に再生するにはしっかりしたシステムでないと難しいとも記載されています。

インターネットのTELARC「大序曲1812」解説記事を読むと国内盤の方が再生が難しいとされているようです。
国内盤もありましたので試してみたところ、輸入盤はクリアしたPRO-JECT Classicでも国内盤だと進まなくなりました。

メインシステムのTechDAS Air Force V Premium(トーンアームKAJI LAB KL-UA01)で試してみました。
カートリッジはDENON DL-103RとPhasemation PP-300で最後まで完走はしましたが、針が横っ飛びするところがありましたので完璧には再生できてないですね。

自身のシステムを試してみたいと思われる方はTELARC盤「大序曲1812」にチャレンジしてみるのもいいかもしれません。
レコードで「大序曲1812」を聴きたい場合はTELARC以外の盤にされた方が無難だと思います。

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