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B&Wの中核モデル700シリーズが5年ぶりに刷新され、今月末より発売となります。

新シリーズ700S3の主な変更点:
1.フロントバッフルがラウンド形状に変更
前モデルの700S2ではフロントバッフルは真っすぐな形をしていましたが、700S3ではラウンドした形状へと変更されました。
また、キャビネット自体もスリム化されたことにより、バッフル面での音の反射が抑えられています。

スリム化すると当然ながらキャビネットの容積は減少しますので、低域の再生には不利になります。
その点についてはバスレフポートの開口部を従来よりも大きくするなどのチューニングでカバーされています。
更に705S3ではL型のバスレフダクトを採用することで、より低い帯域の再生を行なえるようになっています。
700S3シリーズでは通常リアバスレフとなっていますが、702S3のみ底面バスレフ型となっています。
バスレフダクトの長さは60cmと非常に長くなり、チューニング周波数もより低くなりました。

2.ツィーターオントップ機種の増加
B&Wの特徴のひとつでもあるキャビネットの上にツィーターが出ているツィーターオントップ構造。
前シリーズではトールボーイの702S2、ブックシェルフでは705S2にのみ採用されていました。
今回の700S3では702S3と705S3だけでなく、トールボーイ703S3とセンタースピーカーHTM71S3にも搭載されています。
ツィーターのボディはアルミ削り出しのもので、S2のものから長くなっています。

3.磁気回路、クロスオーバー回路のアップグレード
ツィーターの磁気回路では、これまでは銅のショートリングが使われていましたが、銀のものに変更されました。
銀は銅よりも抵抗が低いため、電流が流れた際の歪を抑える効果があります。
クロスオーバーネットワークの回路も使用するコンデンサの数が増やされるなど、従来よりもアップグレードされています。
スピーカーターミナルは800 D4シリーズと同じように横方向に並ぶものとなりました。

4.新しい仕上げの追加
従来はローズナット、グロスブラック、ホワイトという3色展開でしたが、モカという茶色の木目仕上げが追加されます。
なお、ローズナットは発売が少し遅れて年末頃の登場予定となっています。

705S3(モカ)

モデル構成:(ペア、税込価格)
ブックシェルフ型3機種
707S3 13cmウーファー・25mmドームツィーターの2ウェイ・ブックシェルフ型スピーカー
   希望小売価格:281,600円(ホワイト・モカ・ローズナット)
          293,700円(グロスブラック)

706S3 16.5cmウーファー・25mmドームツィーターの2ウェイ・ブックシェルフ型スピーカー
   希望小売価格:352,000円(ホワイト・モカ・ローズナット) 
          368,280円(グロスブラック)

705S3 16.5cmウーファー・25mmドームツィーターの2ウェイ・ブックシェルフ型スピーカー/ツィーターオントップ構造
   希望小売価格:539,000円(ホワイト・モカ・ローズナット) 
          563,200円(グロスブラック)

トールボーイ型3機種
704S3 13cmウーファー2基・13cmミッドレンジ・25mmドームツィーターの3ウェイ・トールボーイ型スピーカー
   希望小売価格:638,000円(ホワイト・モカ・ローズナット) 
          664,400円(グロスブラック)

703S3 16.5cmウーファー2基・15cmミッドレンジ・25mmドームツィーターの3ウェイ・トールボーイ型スピーカー/ツィーターオントップ構造
   希望小売価格:946,000円(ホワイト・モカ・ローズナット) 
          990,000円(グロスブラック)

702S3 16.5cmウーファー3基・15cmミッドレンジ・25mmドームツィーターの3ウェイ・トールボーイ型スピーカー/ツィーターオントップ構造/底面バスレフポート
   希望小売価格:1,089,000円(ホワイト・モカ・ローズナット) 
          1,139,600円(グロスブラック)

スピーカースタンドFS700S3(シルバー・ブラック) 希望小売価格:125,400円
700S3では底面の固定用ネジ穴の位置が変更されています。
従来のスタンドとは互換性がなくなりますので、700S3は従来のスタンドではネジでの固定はできません。


703S3(ホワイト) 奥は704S3(ホワイト)

先だって行われた輸入元の新製品内覧会で707S2から707S3、706S3、705S3、704S3、703S3、702S2と試聴させていただきました。
先代の707S2もいいスピーカーでしたが、新型707S3に代えると空気感が違います。
バッフル面の形状やツィーターの磁気回路の変更の効果だと思いますが、音の濁りが少なくなり、中域・高域のキレイさが引き立ちます。
低域も同等以上の鳴り方という印象で、まさに正常進化という仕上がりだと感じました。

個人的に注目したのは705S3・703S3・702S3のツィーターオントップ構造の3機種です。
705S3については、その前に聴いた706S3よりも低域は少し豊かで、高域のクリアさは明らかに違うという印象です。
おそらく展示品として導入することになると思います。
トールボーイの703S3は繊細さとスケールの大きさを兼ね備えた表現力が素晴らしいですね。
702S3は更に豊かな表現でトップモデルらしい貫録があります。

原材料や輸送費の高騰、為替が円安になっていることもあり、価格が大幅に上がってしまったことは残念ですが、モデルチェンジにより順当な進化を遂げていると思います。
展示品を導入しましたらお知らせさせていただきます。

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