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以前、ユニットを取り外して修理に出したTANNOY WESTMINSTER ROYALですが、エッジ交換を終えて戻ってきました。

今回はゴムエッジで交換しました。
ゴムエッジにした主な理由は寿命が長いという点ですね。
修理をお願いしているHさんに言わせると「TANNOYのエッジ交換はウレタンよりもゴムにしたほうが音がいい」らしいですが。

当方ではスピーカーユニットのエッジ交換は純正の材質に近いものをお勧めしますが、例外もあります。
今回のWESTMINSTER ROYALで純正に近い性質のウレタンエッジにすると、おそらく15年後くらいに再びエッジ交換が必要になると思われます。
お客様宅での裏板を外してのユニット取り外しは難しいので、持って帰って作業をおこなうことになるでしょう。
自前ではこの重量140Kgのスピーカーを動かすことはできませんので、ピアノ運送さんに移動をお願いすることになります。
そうなると往復の移動代金と修理代でそれなりの金額になるのは間違いありません。(おそらく10数万円ほど)
ゴムエッジだとウレタンエッジよりも寿命が長くなりますので、30年近くもってくれるんじゃないかと期待しております。


ユニットを取り付ける前にスピーカーターミナルとユニットへの接続端子の接点クリーニングを行っておきましょう。
WESTMINSTER ROYALは途中で改良がおこなわれているようで、スピーカーターミナルがシングルワイヤ仕様のものとバイワイヤリング対応の2種類あります。
この個体はバイワイヤリング対応の端子となっています。

ユニットの取り付けはわりとスムーズに進みました。
この後、試聴位置に持っていく方が苦労しています。
WESTMINSTER ROYALは底面にキャスターが付いていますので、床が平坦であれば押して動かすことが可能ですが、設置場所は床がボコボコになっているため、なかなか動かず悪戦苦闘することに。
結局、一人で動かすのをあきらめて手伝いを頼みました。

前置きが長くなりました。
ここからが本題となります。
ちょうど買取で入ってきたアンプたちがありましたので、エッジの慣らしを兼ねて鳴らしてみました。

今回のシステム
ネットワークプレーヤー:PIONEER N-70A
スピーカー:TANNOY WESTMINSTER ROYAL

とりあえずプリメインで鳴らしてみることにします。
倉庫に持って帰っていた展示品のARCAM SA30(トランジスタアンプ・現行品)とLUXMAN SQ38FD(真空管アンプ・1970年代前半頃発売)を繋いでみます。

ARCAM SA30

なかなかの感じです。
TANNOYなので鳴らすのには真空管アンプ一択かと思っていましたが、トランジスタアンプでも大丈夫そうです。
クリアな音ですね。

LUXMAN SQ38FD

50年ほど前のアンプなので状態が完全ではありませんが、いい音で鳴ります。
SA30よりも聴感上のレンジは狭い感じはありますが、音がスッと入ってくる感覚で浸透力が素晴らしいですね。
この音には驚きました。

ここからはセパレートアンプで鳴らします。
プリアンプをMCINTOSH C22(レプリカ)で固定して、まずはMCINTOSH MC275(レプリカ)で鳴らしてみます。

そう言えば、このWESTMINSTER ROYALの前オーナーさんもレプリカC22・MC275の組み合わせでした。
(この鳴らしているセットとは違うものです)

音に力強さが出てきました。
バランスがとれた鳴り方ですね。
しいて言えば、更にもう少し透明感があると文句のつけようがない領域になってくると思います。

SUNVALLEY SV-S1628D(プリアンプ:MCINTOSH C22レプリカ)

出力管は211です。
MC275よりも細身な鳴り方で、中高域よりのバランスになった印象です。
明るめの音で聴き心地の良さがあります。

TRIODE TRX-P3M(プリアンプ:MCINTOSH C22レプリカ)

300B使用のモノラルアンプです。
左右の分離感の良さにモノラルアンプらしさを感じます。
少し線が細めではありますがボーカル帯域のクリアさは素晴らしいです。
MC275よりも少しエッジがたっているように聴こえるところが好みが分かれるところかもしれません。

TRX-P3Mには出力メーターが付いているので音を出しながら覗いてみましたが、普通に聴く音量だと0.05~0.1wほどで、そこそこ大きな音を出して1wくらいな感じですね。
WESTMINSTER ROYALは能率が96.2dBと高いので、小出力のアンプでも音量面は全く問題ないと思います。

鳴らしている間に資料を探したら、ステレオサウンド92号にオーディオ評論家 菅野先生がWESTMINSTER ROYALをMCINTOSH / FM ACOUSTICS /UESUGIのセパレートアンプで鳴らした評論が書かれていました。
UESUGIのプリとモノラルパワーの組み合わせを気に入られたようです。
たしかに力強さと透明感がありそうな組み合わせでWESTMINSTER ROYALをうまく鳴らしてくれそうな気がします。

店頭にある製品で組み合わせを考えると、最右翼はTRIODE EVOLUTION300ですかね。
WE300B使用のシングルアンプで繊細さと伸びやかさを両立できそうです。
あとはMCINTOSH C22V/MC275VIも良さそうです。
レプリカC22/MC275よりも透明度と音の広がりがありますので、よく鳴らしてくれると思いますね。

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