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倉庫でご注文をいただいたJBL 4343Bのメンテナンスを進めています。
一時期は5セット在庫があった4343シリーズ(4343B/4344含む)も最後の1セットとなりました。

今回はアッテネーター交換とスピーカーターミナル交換を行います。
久しぶりに交換用のアッテネーターを注文したら、価格がほぼ倍になっていて驚きました。
こんなところにも物価高騰の影響があるとは。
以前はアッテネーター交換(左右6個)で40,000円強という価格で行っていましたが、今となってはその値段ではできませんね。

(画像は4343B本体より外したアッテネーターが固定されているボード)

作業の間のBGMを鳴らす用にJBLのスピーカー L166 Horizonを出してみました。
L166 Horizonは1970年代後半ごろのモデルで、この時代のJBLのスピーカーは基本的にウレタンエッジが採用されています。
当然このL166のエッジも経年劣化で経年劣化でボロボロになっていました。
いつも部品をお願いしている業者さんが少し前から人工皮革のエッジの取り扱いを始められたので、今回は実験用として人工皮革エッジで交換しています。
エッジの耐久性はそれなりに年月が経たないと分かりませんが、音の方は良さそうな感覚がします。

L166を鳴らすアンプとしてSOULNOTEのプリメインアンプ A-1を店頭から持ち帰りました。
A-1は古いJBLのスピーカーとよく合いそうな印象でしたので、倉庫まで持ってきた訳ですが、かなりいい感じですね。
ダイナミックさとしなやかさが両立していて、聴いていて楽しい気分になれます。

問題なのはA-1の電源を入れるとブーンという唸り音が発生したことです。
SOULNOTEは音質重視設計のため、感度の高いトロイダルトランスを使用しており、電源に直流成分が混入しているとトランスが飽和して唸りが発生することがあります。
暖房器具などを使用していると唸りが発生しやすいと言われますが、今日は10月の半ばですので暖房器具は使用していません。
どこかからコンセントに直流成分が流れ込んでいるのは間違いありませんので、対策を講じる必要がありますね。

SOULNOTE公式サイトではトランスの唸りについての注意が掲載されています。
その対策の1つとして直流成分をカットする電源タップ光城精工のCrystal H1Pが推奨されています。
次に光城精工さんに商品を注文する際には、H1Pもお願いすることにしましょう。

なおトランスの唸り音は店頭では全く出ていませんでしたので、設置する場所の電源環境次第という面があります。


3時間ほど鳴らしたので、アンプを変えてみることにします。
TRIODEの真空管アンプ TRV-A300XRに登場してもらいましょう。
鳴らしてみるとSOULNOTE A-1よりは少し線が細くはなりますが、実に聴き心地がいい音で鳴ってくれます。
JBLをお使いの方には出力管にKT88を使用したTRV-88SERや88XRをお勧めすることが多いのですが、300Bもなかなかですね。

そんなこんなでアッテネーターの交換とスピーカーターミナルの交換が完成いたしました。
あとの工程はアッテネーターのノブを新品に交換してから、ボードを元に戻してネームプレートの接着ですね。
また音響レンズの清掃とマジックテープの補修もやる必要がありますので、時間を取って進めていくことにしましょう。

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